特任助教と助教とポスドクの違い(元助教が解説)

特任助教は「特任」であるので、雇用に任期があります。助教(特任でない)の場合でも任期付きであることが増えてはいますが、特任助教の方が少なくとも書類上の更新単位が短い場合が多いです。例えば、助教採用が「5年契約・更新1回まで(つまり最長10年の契約)」の一方、特任助教では「1年契約・最長3年任期」というふうに区別があります。任期以外でも職務や手当で細かい差はあるのですが、特任助教の扱われ方は大学に依るところが大きいような感じがします。(助教の関連記事はこちら

助教(特任なし)であれば、大学が比較的長期的な視座から若手研究者を採用するわけなので、一般的なポスドクと比べると使い捨てにされるリスクはずっと小さいと思います。どちらかというとむしろ、大学の雑務ばかりやらされて教授手伝いの「飼い殺し」になるパターンが心配されると思います。若手助教が雑務に追われてしまえば、研究業績を積んで他大学に転職するのは難しくなりますから、そういう人はむしろ学内政治でうまくやることを重要視するのも一つの戦略になるかもしれません。

「特任」助教の場合は、もっと短期的な理由でポストが作られて募集がかけられることが多いです。すべてではありませんが、一般的なポスドクの場合と同様で、研究室が大きな予算を取ったときなどに、その予算内で特任助教を雇ったりするパターンです。なので給料は相対的に低いことが多く、状況によってまちまちになります。

ほとんどの場合で特任助教の給料は、助教の給料以下でしょう。大学の規定や状況によってかなり異なるはずですが、年収300万円台で実質ポスドクと変わらない特任助教も存在します。特任とはいえ一応大学教員の肩書にみえるので、ポスドクよりは特任助教の方が履歴書的には好まれるかもしれませんが、実態は各々の状況によってかなり違ってくるので注意が必要です。

実際の待遇で言うと特任助教よりも、学振PDや、理研や京大CiRA・阪大微研のような日本トップクラス研究所でポスドクやっているほうが給料は高いことが多いと思われます。この場合は単に所属の問題なので、当人の能力や業績はあまり待遇に関係ありません。また、特任助教ほどではありませんが、「特任准教授」の肩書もあまりあてになりません。特任教員の肩書はタダに近いので、年齢や業績相応の肩書を付けてあげるという配慮は意外と多いです。必ずしも「特任准教授」「特任助教」「ポスドク」はこの順番で偉くて高待遇というわけではありません。どれも不安定な有期雇用です。また、給料・待遇は雇用される大学やラボの経済状況に強く依存するので一概には言えないのです。

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