医学部の高い書籍代を節約する¥買う買わない?低学年の基礎医学でおすすめ教科書は

医学部に入学後にかかるお金が他の学部よりも高い原因として、以下の要因があると思います。

お金がかかる要因=
① 教科書が高い
② 国家試験の勉強(過去問、ビデオ講座など)
③ 電子デバイス(PC, タブレット端末=実習中に便利)
④ 実習に必要な道具など(聴診器や白衣など)
⑤ 各種試験(CBT/OSCE、国家試験の受験料)

この記事では、お金のかかる要因の中でも、特に、①教科書・書籍代に着目して、「いかに節約すべきか」について考えたいと思います。



〇 医学部の教科書代・費用をいかに節約するか

医学部のカリキュラムのなかで、先生方から購入を勧められる教科書は高い傾向があり、1冊1万円くらいするものも多いです。授業シラバスに書かれている推奨書籍をすべて購入していると、高価な本を数週間ごととか、数か月ごとに購入することになってしまい、お金がいくらあっても足りません。

今回の記事では、思いつく範囲で以下の節約法があると思うので、具体的な本を挙げながら説明してみます!

節約方法
①必要でない本は買わない。→ 必要な時に図書館で借りましょう。
②必要なくなった本はすぐに売却する。→ はやめにフリマで売りましょう。
③必要な本はできるだけ安く手に入れる。→ 古い版を買うのも一案です。


1.(長期に)必要ない本は買わない

どんな本が購入する必要があるかというと、卒業まで使う本、つまり国試勉強まで使う本は買う価値があると思います。逆に、低学年で授業を受けている時にしか使わないような教科書は、図書館などで借りて済ませるほうが節約につながってよいと思います。

具体的に、私が「卒業まで使える本」としてお勧めしたい本は、「病気がみえるシリーズ」の本と、「人体の正常構造と機能」という本です。(下の画像)


病気がみえるシリーズは、イラスト豊富で低学年でも理解しやすいし、かつ高学年の国試勉強でも使えるレベルとなっています。「人体の正常構造と機能」は、厚い本ですが、国試につながる基礎医学を一冊にまとめたような内容なのでお勧めです。もし大学の先生の推奨に従っていたら、「解剖学」「生理学」「組織学」「生化学」・・・と続くそれぞれの科目で一冊1万円くらいの本を買うことなりかねないと思いますが、厚い本を買うなら「人体の正常構造と機能」があればそれで必要十分に近い気はします。(注意:他の厚い清書を買う価値がないわけではありませんが、コスパ的には、長期的に使う頻度が少ないので、図書館で借りたり、使い終わったら売却したりするほうが妥当かもしれないという意味です。)



2.必要なくなった本はすぐ売却する

また、意外と盲点かもしれませんが、使わなくなったら「すぐに」売却することがポイントになるかと思います。版が古くなると取引価格が半減するような教科書が多いからです。

分厚い教科書の多くは(授業で学習しているときの)勉強には役立ちますし、その後ずっと手元に置いておくのは、場所やお金に余裕があればよいのかもしれません。ただ、授業が終わってからの使用頻度がかなり少なくなるので、売却を検討してもよいと思います。

「基礎医学の教科書を手元に置いておくことは、医師になってからも大事」という考えもあると聞きますし、まさしくそれはそうだと思います。しかしそれなら、「医師になってお金に余裕が出てきてから、その時の最新版を購入する」という考え方もありうる気はします。使う頻度が稀な教科書は、(古くなるまで家に置いておくよりは)必要な際に図書館を利用すれば間に合うのではないでしょうか。


3.必要な本は安く手に入れる

中古書籍を利用するか否かは、個人的な好みによるところも多いと思います。たとえば私なら、国試勉強で日常的に使うことになるような教科書・書籍については、新品で購入したいです。しかし、時々使うような本なら中古でも構わないかなと思います。

私の場合は、値段とも相談する場合が多いです。メルカリ、ラクマ、アマゾンのマーケットプレイスくらいを確認して、大幅に安ければ中古で買うことを検討します。

教科書(の分野)によっては、安く買える古い版でも問題がほとんどなかったりします。分子生物学や免疫学は、毎年の情報の更新ペースが速いので、できるだけ最新版の教科書を買いたいところですが、解剖学や組織学のベーシックな知識を勉強する場合は、あまり最新版にこだわる必要はないと感じます。感覚的には、10年くらい前の本でも許容レベルでしょうか。

画像2

上の表の右上には、「古い版でよいけど・購入を推奨」と私が考える教科書を追記しています。私の個人的な考えですが、「組織学の図譜(アトラス)」は、最新版にこだわる必要はないと思いますが、組織学 → 病理学 → 国試で臨床問題を解く際に参照、というふうに卒業まで比較的使う頻度が高いほうだと思います。個人的に、臨床メインの「病気がみえるシリーズ」以外で、その後参照する機会が多い基礎医学の本は組織学(&病理もか)かなぁと思っています。(逆に、ほかの分野ですと、Web検索で手に入る情報が多数であり、わざわざ教科書を開いて参照する機会が稀になる気がします。)

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【お勧め書籍】(新品または中古購入を含め)

病気がみえるシリーズ:わかりやすいし長く使えます。
人体の正常構造と機能:お高いですが。。
解剖実習の手引き:実習で必要でしたので。。
人体組織図譜:必要十分と感じました。
コスタンゾ明解生理学:他の教科書よりわかりやすかった。
神経科学脳の探求:非常に網羅的かつわかりやすい。
Essential細胞生物学:生物の初学者でも平易で読める。分子生物学の定番。

ぜんぶわかる骨の名前としくみ事典:薄い本はまあ便利ですね。
新しい免疫入門(新書):とても読みやすいのに詳しい。

感覚的には、1~4年生のあいだに10万円少しくらいあると良いでしょうか。。
以上、参考になれば幸いです。

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