助教の平均年齢・将来性

大学教員「助教」の年齢について調べてみました。

内閣府の資料ページ(「平成28年度独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査(平成27事業年度)」の番号2-3-3資料7のデータを元にグラフを作成してみました(下図1)。

平成0年から25年までの国立大学の助教の人数の推移を年齢ごとに示しています。グラフタイトルを「年齢別の国立大学助教」としていますが、昔は同等の職位の人は「助手」と呼ばれていたので、実際は「助教&助手」のデータを示しているグラフです。

図1)

上のグラフのように、助教は30代から40代で約9割を占め、平均年齢は30代後半~40前後になりそうです。平成16年度頃から40代助教の割合が増えており、その代わりに20代の助教が減っています。平均年齢が30代の後半だとすれば、現在の学生やポスドクの助教着任時期の理想は30代前半と言えそうです。

40歳になるとやや高齢なので、助教として新規採用されることは多くないと思いますが、統計データによると40代以上の助教が4割程度も占めているようです。これは、昔は一般的だった「任期無し(=終身雇用)」の条件で採用された人たちが、講師や准教授に昇進できずに助教として居座っているからかもしれません。そうであれば若手は割りを食わされていると解釈できそうです。なお、大学病院の医師の助教は状況が異なるので別に考える必要はあります。

また、政府関係の資料ではたびたび言及されていますが、若手(30代以下)の大学教員の減少傾向がここ20年ほど続いています(下図2)。この調子だと現在の大学院生が将来大学ポストに就くのはもっと難しく(良くて後回しに)なりそうです。

若手をそそのかすセリフとして、「団塊世代の教授が定年となり一斉退官するから空きポストが増える」というのもありましたが、経営難の大学が多い中で果たしてそんなの期待できるでしょうか。私には、少子化と予算カツカツの日本では大学は基本的に斜陽だと見えます。(もちろん、自身でよく考える必要があります。)

図2)

(内閣府資料(「平成28年度独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査(平成27事業年度)」より作成。)

上図の解釈は人それぞれでしょうが、私には、高齢者に優しい日本(若者が損している状況)をまた見てしまった、という感触です。皆さんは明るい未来が見えますか?


ところで、この種の政府関係の資料は、大学院生やポスドクにとってチェックする価値があるものだと思います。政府が何を目指しているかを知ることは、将来的な研究費獲得や就職を考えたとき、役立つ可能性があります。

例えば、第5期科学技術基本計画では、以前の計画と比べて、工学系の研究(情報科学やIoT)への期待と投資が大きいように感じられます。相対的なライフサイエンス(生命科学)の比重が低くなり、さらにライフサイエンスの中でも特に「研究成果をいかに臨床に橋渡しするか」というところを重視している感があります。

大学等の公的機関で働く限り、直接あるいは間接的に政策の影響を受けるのは避けられません。よっぽど優秀な若手研究者でない限り、現状の大きな流れを知っておくことは今後のキャリア形成の助けになると思います。

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