文系卒社会人からの医学部―学士編入と再受験のそれぞれの戦略

最近何人かの話を聞いたので、文系出身者による医学部再受験・学士編入について情報をまとめます。

文系出身者はかなり少数で、なかなか情報を得にくいと思うので、よかったら参考にしてみてください。



学士編入の不透明さに注意

理系にとっても同じですが、医学部学士編入の選考はブラッグボックスです。大学によっては、文系お断りだったりもするので、文系出身者にとっては受験できる大学自体が少なくなり、理系よりも制限が大きいです。例年文系出身の合格者は確かにいますが、絶対数が少なく情報を得にくいことも問題になります。

再受験(一般入試)で入学した人になぜ編入を選択しなかったか聞いてみると、「学士編入はよくわからない。再受験が確実だと思ったから」と答える人が多いです。学士編入は理系にとっても不透明ですが、文系出身者にとってはもっと取っつきにくい試験になってしまいます。

私の周囲の人たちでは、不透明さを反映してか、文系出身者では一般入試を併願する人がかなり多いです。編入でも再受験でも合格者はいますが、理系出身者と比べると、全体的に「苦労して何とか合格した」人が多い感じがします(あくまで私の印象です)。


文系の医学部学士編入では情報不足に困る

私の周りの情報なのでサンプル数が少ないですが、再受験の合格者は東大京大慶応早稲田卒の人が多いです。一方、文系編入生はそこまで高偏差値大学出身が多くなく、理由は分からないですが、海外経験が長い人が多い感じがします。(ちなみに理系の編入生でも海外経験者率は高いので、同じような比率かもしれません。)

得られる過去の情報が少なくなりがちなので、特に文系の場合は、素直に大手予備校(KALS)に相談しに行くのがよいと思います。私個人的には、編入の不透明な選考でなにされているか分からないので、「文系出身者の学士編入合格実績がある大学」を選んで試験勉強することが大事だと思います。そういう情報を持っているのが大手予備校ということになります。



受験校選定が重要。その考え方について

上述の通り、志望校選定は特に学士編入で重要になります。その一方で、一般入試の場合は比較的、選り好みせず地元の医学部を受験している人が多いです(特に年齢制限に引っかからない20代受験生の場合)。

大雑把に言うと、編入試験で文系出身者の志望校になりうるのは以下の大学だと思います。

①過去に実績がある。
②筆記の配点が低い(面接重視)

①で、選考の不透明感を多少払拭できて、②で、筆記試験の相対的不利を多少払拭できる、という考えです。

他に、「③試験科目」が重要ですが、その対策は個々人によって変わってきます。例えば、数学・物理・化学が苦手であれば「生物・英語特化型の医学部」が編入候補になりますが、この場合、試験対策が比較的容易である代わりに生物系卒の人より圧倒的不利になるのがデメリットです。

物理・化学をまあまあ対策できて数学だけが苦手、という場合は「生物・物理・化学・英語型の医学部」を受けるのが選択肢になり、この場合、負担は「生物・英語特化型」よりも増えますが、一般入試でセンター対策や二次数学対策をする必要がないので、勉強労力としては一般入試よりも少ないと思います。

数学の対策が可能で、センター&二次という重厚な試験対策時間を確保できるなら、一般受験がより確実だと思います。文系大卒での再受験生はたくさんいますが、やはり試験対策範囲が広いので、仕事を一定期間辞めて(ただし合格の見通しが立ってから)試験勉強に専念している人が多い感じはします。


このページの内容は私の個人的な見解であることにご注意ください。

①情報の一部は、知識交換サイト「coconala.com」の6be3さん(ママさん医学生)から頂きました。文系出身の方なのでよかったら聞いてみてください。(ちなみに私の紹介コードはg6fn6kなので、よろしければ入力お願いします)

②別の文系出身の方のインタビュー記事を、他の方のインタビューと合わせてこちら(note記事)にまとめています。こちらも、是非ご覧ください。

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