生理学の対策3

ホルモンは医療系以外の生物系学生にとってなじみがないですが、医学部学士編入では頻出項目です。主なものは完璧に記憶しましょう。生物系の出身者であれば、かなり基本的な教科書を初め読んでみるのが結局は近道であるような気もします。

下記のセリフは丸暗記しましょう。
”ホルモンとは、血中に放出(内分泌という)されて標的となる細胞に到達し、標的細胞の活動に影響を与えることで生理活性を発揮する物質。受容体が特定の細胞にしかないために標的が決まっている(例:インスリンは、筋肉細胞・脂肪細胞・肝細胞に作用して血中グルコースを低下させる)” 

一方、医学系でない生物学の大学院入試では基本的に出題されず、対策不要です。

視床下部(hypothalamus)からのホルモン分泌を理解する

・視床下部ホルモンは下垂体前葉からのホルモン放出を促進するものが多い。~放出ホルモン(releasing hormone, RH)という名称がついている。放出する細胞はニューロンであり、すべてペプチドホルモンである。

例:下記はすべて視床下部 –> 下垂体前葉
GRH(GHRH, GRF) –> GH (成長ホルモン)
TRH –> TSH (甲状腺刺激ホルモン)
CRH –> ACTH (副腎皮質刺激ホルモン)
LHRH –> LH (黄体刺激ホルモン), FSH (濾胞刺激ホルモン)

視床下部と下垂体後葉のホルモン分泌での関係を説明する

・視床下部ではADH, オキシトシンが合成され、これらは下垂体後葉に送られて貯蔵されてから、分泌される。オキシトシンは乳汁分泌と子宮収縮を促す。ADH(抗利尿ホルモン、バソプレシン)は集合管に作用して水の透過性を亢進させ(水を回収させ)、尿の濃縮にはたらく。また血管を収縮させる(バソプレシンという名前の由来)。
memo:
ADH(バソプレシン)とオキシトシンが下垂体後葉(視床下部から送られる)からであることを覚えておけばよい。前葉のほうも視床下部から制御を受けているが、別のホルモンを介しているようだ。

甲状腺ホルモンを説明する

・甲状腺の濾胞細胞はチロシンとヨウ素から、甲状腺ホルモンであるサイロキシンを合成する(ヨウ素が4つなのでT4と呼ばれる)。末梢組織ではヨウ素を1つ失ってT3となり、より強力な作用を持つ(参考wikipedia)。これら甲状腺ホルモンはほぼ全身の細胞を標的とし、核内の受容体と結合して転写を制御する。
・甲状腺ホルモンの作用は熱の産生と代謝(異化)促進である。
・甲状腺からはカルシウム調節に関わるカルシトニンというペプチドホルモンも分泌している。

カルシトニン受容体は細胞膜上にある膜7回貫通のGタンパク質共役受容体で、Gsサブユニットを介してアデニル酸シクラーゼと結合しており、カルシトニンが結合することで細胞内のcAMPが増加する。カルシトニン受容体は破骨細胞や前破骨細胞に多く発現している。(参考wikipedia)。

・副甲状腺は血清カルシウム濃度の維持に関わる中心的臓器である(上述カルシトニンよりも強い)。様々な作用をもつ(例:破骨細胞に依る骨吸収促進>カルシウム放出、腎でカルシウムの再吸収促進)。


副腎皮質(Adrenal gland cortex)の産生するホルモンを説明する

すべてステロイドホルモンであり、機能的に糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、性ステロイドの3つに大別される。コルチゾール、アルドステロン、アンドロゲン(男性ホルモン)が重要。
・コルチゾールは糖質コルチコイドの代表であり、血糖値の上昇や免疫抑制に作用する。具体的には、コルチゾールは肝臓での糖新生、グリコーゲン合成、脂肪組織での脂肪分解などを促進する。主に下垂体前葉からのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)で調製される。
・アルドステロンは鉱質コルチコイドの代表で、電解質調整に行う。(ACTHではなく)レニンとアンジオデンシンの系で主に調整されている(レニン>アンジオテンシン>アルドステロン=血圧上昇のメカニズムでもある)。集合管に作用してNa, HCO3-の再吸収を促進する。
・副腎アンドロゲンは男性ホルモンでありACTHで主に制御されている。男性では精巣からのテストステロンの作用が大きいのでアンドロゲンの意義は少ないらしい。

副腎髄質(Adrenal gland medulla)のホルモンを説明する

・アドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリンを産生する。副腎髄質は交感神経で支配される。アドレナリンは起動拡張作用がある。

腎ホルモンを説明する

・腎臓は血液量の低下を感知してレニン(ペプチド)を産生する。レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系は循環の維持に重要である。
・また、動脈の酸素飽和度が低下するとエリスロポエチンを分泌し赤血球を増加させる。食事での接種、または皮膚で(紫外線の作用で)合成されてできたビタミンDは、腎臓で修飾を受けて活性型のビタミンDとなる。活性型ビタミンは腸でカルシウムの吸収を亢進させるペプチドホルモンとして働く。

細胞外液の維持機構を説明せよ

水を再吸収させるADHと、NaとHCO3-を再吸収するアルドステロンの2つが重要である。血清の浸透圧は視床下部で感知されてADHが分泌される。同時に視床下部の渇中枢は生体に口渇感を自覚させる。

脂肪組織と他器官の関係を説明する

・脂肪細胞が分泌する生理活性物質をアディポサイトカイン(アディポカイン)などと呼ぶ。レプチンが代表例である。レプチンは視床下部の摂食中枢を抑制し、また交感神経系に作用してエネルギー消費を亢進、組織のインスリン感受性を増大させる。アディポネクチンも同様の作用を持つ。
・逆に、脂肪細胞からのTNF-αやレジスチンはインスリン抵抗性を増強するアディポネクチンである。
memo:
脂肪細胞は中性脂肪の貯蔵を行うとともに、レプチンのような代謝調節物を産生・分泌することでグルコース代謝に影響を与えている。

血糖値の維持のメカニズムを膵臓や肝臓に焦点をあて説明する

・満腹状態では膵臓からインスリンが分泌される。インスリンは肝臓、脂肪組織、骨格筋に作用してグルコース取り込みを促進する。肝臓と骨格筋ではグリコーゲンの合成が促進し、グリコーゲン分解と糖新生は抑制される。飢餓状態では膵臓からグルカゴンが分泌される。これは肝臓と骨格筋においてグリコーゲンの合成を抑制し、グリコーゲン分解と糖新生を促進する。肝臓ではグリコーゲンの分解産物グルコースは血中に放出される。


運動単位とは何か

・1個の運動ニューロンとその支配筋群を運動単位という。1個の運動ニューロンが支配する骨格筋繊維の数を神経支配比という。(眼球は微細運動のために神経支配比は数10個まで。粗大な運動の筋肉では数千のオーダーになる)

筋線維の分類を説明する

・筋線維は代謝特性によってI(赤筋), IIA, IIB(白筋)に分けられる。I型線維は収縮が遅く、張力も小さいが持久力がある「遅筋」である。ミオグロビン、ミトコンドリアが多く、赤く見える。遅筋は酸素呼吸中心である。ニューロンの活性化閾値が低く、刺激が弱いときに働く。(刺激が強く、より強い運動が必要な時に順次IIA型、IIB型(速筋)が働く。速筋は解糖中心で動く

筋組織を「形態的に」分けて説明する

・筋組織は形体的に横紋筋(striated muscle)と平滑筋(smooth muscle)に分けられ、前者は心筋(cardiac muscle)と骨格筋に分けられる。平滑筋は単核であるが、骨格筋は多核細胞である。骨格筋は体性神経系に支配され随意的に動かすことができる(心筋、平滑筋は自律神経系に支配されている)。

反射を説明する

///脳との関連があり奥が深いが、最低限は記載できるように準備すること。//
・神経については既知の内容がほとんどだと思う。ただし「記述する練習」が必要。