おすすめ学歴ロンダリング
結論から言ってしまえば、大学院生は殆どの場合、学歴ロンダリングだと批判されても気にせず旧帝大のトップラボに入った方がいいです。博士課程からでも遅くはありません。
実際のところは、大学院名ではなく研究室単位で選ばないとロンダリングの価値がないので注意すべきです。旧帝国大学の研究室でも業績がいまひとつの研究室も多いですし、逆に地方大学で業績のある研究室もたくさんあります。でもやはり、地方の優良ラボよりは「旧帝の優良ラボ」の方が大学院生にとってはいいかと思います。下記は主な理由です。
(1)旧帝大の方が、経済的サポートを期待できることが多い。
(2)旧帝大の方が、設備が充実しており、恐らく同級生が優秀である可能性が高い。
(3)旧帝大の方が、民間ではネームバリューを持つことがある。
(1)はお金持ちには関係ないですし、(3)はアカデミアではあまり意味がありません。より普遍的に重要なのは(2)の後半だけかもしれません。
経済的サポートについては、運が左右します。無給から最大で20万円/月 とかです。文科省が関係するプロジェクトから「人件費」が間接的ですが学生に支払われたりします。いわゆる奨学金については、たいてい日本学生支援機構の学生ローンの場合が多いでしょうが、博士課程であれば利子が付かないほうを借りられることが多いです。その他の民間奨学金は親の収入が低いほどもらえる可能性は高まります。学内推薦のパターンが多いので、例えば金持ちが多い医学研究科に他学部出身で在籍していると、競争率は低くなることがあるようです。
旧帝にロンダリングする学生にとってのマイナス点は、教授の教育に対する熱意を期待できないことが多いことは挙げられます。大学は「研究機関」であると同時に「教育機関」でもあるはずですが、研究を重視している旧帝国立大では教育はしばしば忘却されています。教員の主な職務は「研究」と「教育」であるはずですが、業績評価ではもっぱら研究業績が重視されるのですから、旧帝国立大の教員にとって教育は職務というよりは雑務でメリットがない行為になってしまいます。
とはいえ、研究をやりたい大学院生はそんな環境で頑張るのは悪いことではないと思います。指導教員の要求が高すぎて(例:「Nature、Cell、Science以外はゴミである」by 教授)、博士学位を取得できる見込みが極めて低いラボも存在しますから、あまりそんなところで自分を追い詰めすぎてもいけないと思いますが、ほどほどに求める研究レベルが厳しい研究環境で大学院を過ごすことは自身の成長のために大切であると思います。